7月11日。1年国際教養科クラスA・B組は夏期研修のため、バス2台に分乗し、関西外国語大学中宮キャンパスに向かいます。みんなウキウキです。国際教養科としての初めて行事です。11時より関西外大留学生別科教員トレイシー先生の英語による講演「グローバル・ファミリー」を聴きます。世界のあちこちの地域で一日200円使える人がその地域に何パーセント存在するかという基準をパワーポイントで示したり、様々な生活が送られているという事実を実感できるものでした。
そしてこうした世界をより素晴らしいものに変化させようとする人のことも紹介されました。一人がパキスタンのマララさん。講演ではさらっとふれられる程度でした。もう一人が世界各地でダンスの輪を作り続けている「マット君のダンス世界一周」で知られるマット君でした。マット君のダンスは4日間で200万回見られたそうです。世界が一つの家族なんだよというメッセージが彼の世界各地でのダンスということ。かなりスピードのある展開でした。使われる英語はかなりわかりやすく感じましたが、生徒は何を言ってるのかさっぱりわからなかったというものと、かなり理解して要所要所では笑い声を出すものとにわかれました。
午後は大学の一室でA組の代表西岡さんが、講演を聴いた感想をのべ、B組の代表中山さん・和田さんが講演で出てきたパキスタンのマララさんについて発表しました。マララさんは女子が学校に通うことに反対し、女性をもの扱いし暴力をふるうアラブ原理主義集団タリバーンに真っ向反対し、テレビに出てその現状を世界に訴えました。
だまらせようとする脅しに屈しないマララさんの口を封じようと、タリバーンはバスに乗り込んで来てマララさんの頭部を撃ったのです。マララさんは14歳(当時)の少女です。重態となった彼女は緊急にイギリスに運ばれ手術を受け、奇跡的に回復しました。その後、彼女は国連で意見を述べます。教育こそがこうした無知から来る悲惨を解決する唯一の道であることを。彼女は続けます、自分を襲ったタリバーンに怒りはもたない。タリバーンの子供も学校にいって教育を受けることができるよう願うと。トレイシー先生も講演のなかで、マララさんは私にとってヒーローであると紹介されていました。同感です。
このマララさんのことを発表したB組中山さんは「日本は裕福だ。世界では学校で勉強すること、学校で友達とお話することは当たり前のことではありません。自分の周りの全てに感謝をして生きなければならない。」と感想を述べました。また同じくB組和田さんは「タリバーンにも負けず、襲撃された後も一生懸命スピーチをしてきた彼女は本当に素晴らしい」と感じました。
この報告のあと、旭高校の卒業生で関西外大の在学生であるMさんとS君が自分たちの経験をしゃべってくれました。Mさんは旭の国際科は2クラスしかないが、とても仲良くなるのですごく楽しかった。あなたたちも仲良くしてくださいとアドバイスしてくれました。S君は英語とくに単語をがんばって覚える必要があること。自分自身、サッカー部でがんばりつつ、高校生活の最後にがむしゃらに英語に取り組み、府のグローバル塾に応募し、イギリスに行って自分よりはるかに優秀な同い年の高校生に遭遇し、ショックを受けつつ、またファイトがわいたことなど述べてくれました。すばらしい先輩がいるのですね。みんなも続きましょう。
ちょうどこの日に一年間のフランス留学から帰ってきた飯山さんのフランス語を交えた挨拶もあり、大成功の国際教養科研修でした。